いつまでも凡人と思うなよ

太っているのは、毎日まいにち「太り続ける為の行動」を繰り返している成果なのだ。

岡田斗司夫 「いつまでもデブとおもうなよ」

今回紹介したい本は岡田斗司夫の、
「いつまでもデブとおもうなよ」というダイエット本です。
ダイエットの方法を紹介するのかというと、全然そんな事は無いです。
そもそも俺はダイエットなど生まれてから一度もやった事がないので、
どれくらい効率的に痩せれるのかという、ダイエット法の良し悪しが解るはずも無し。

じゃあなんでそんな本をわざわざ買って持っているのかというとだ。
この本は発売当初の2007年時、売れに売れてベストセラーになった。
しかしベストセラーだからって読む価値があるとは全然考えていない。

本の世界は厳しいのだ。
どんなベストセラーであっても内容が素晴らしくなかったら、
一年以内にブックオフの100円コーナーを埋め尽くす。
どの本を読もうか迷った時、
ロングセラーはあてにしてもいいが、ベストセラーは全くあてにしていない。

行列ができる飲食店のちょっとしたジョークがある。
何故みんなその店に並ぶのか?

1、うまくて安いから並ぶ
2、テレビで紹介されたから並ぶ
3、みんなが並んでいるから並ぶ

ベストセラーが売れるのは3番の理由なので、
行列が続くのは実はあんまり美味くないという事が皆にバレてしまうまで。
本当に美味かった店だけがロングセラーになる。

話が脱線しすぎた閑話休題。

何故そんなベストセラーの本なんかを買ったのかという話に戻る。
発売数ヶ月が過ぎても尚重版され続け、
どこの本屋に行っても山積みになっているのを見て「おや?」と思い、
ちょっと立ち読みしてみる事にしたのだ。
そしたら中々面白く、半分程読んだ所で足が疲れてきたので買って読む事にした。
結果としてはその判断は正解だった。

これはダイエットだけではなく、色々な事に応用できる内容で学びが大きかったのだ。
デブ以外の人間が読んでも面白い物になっている。
その中で一番学びが大きかったのは、

「デブはデブを維持する為の努力を一瞬たりとも怠らない」

って所だろう。

この本に書かれているダイエットは「レコーディングダイエット」と呼ばれている物です。
やる事はいたってシンプル。
その名が示す通り、食べた物とそのカロリーをひたすら記録していくだけ。

それ程無茶苦茶な食生活をしている訳でもないのに、
何故自分は太っているのか解らない。
著者の様な中小企業の経営者ならだれでも知っている鉄則、
「解らない時は詳細なデータを集めるに限る」

カード破産する人は自分の借金総額を知らない。
どれ程の収入があってどれくらいの生活費が必要で、
利息込みの返済額は月々いくらあるのかも知らない。

現状を打破する第一歩は、具体的かつ詳細なデータの把握から。
自分はどれだけのカロリーを摂取しているのか?
それを知る事から始めるのがレコーディングダイエット。

その結果ハッキリと見えてくるのが、
自分はデブになる為の努力をひたすらに続けているという事。

ボディビルダーが逞しい筋肉を維持する努力を怠らないように、
デブもデブを維持するような食生活を一瞬たりとも怠らない。

野球選手が細切れの時間を利用して素振りの練習に励むように、
デブも僅かな時間を利用してまでポテチの摂取を怠らない。

自分は努力するのが苦手だから・・・なんて思っていたら大間違い。
こと太るという事に関しては、毎日毎日休む事無く努力し続けている。
だからこそ、その体型を維持し続ける事が出来るのだ。
肉体を維持し続けるというのは並大抵の努力で出来る事ではない。

「そこまで頑張って太ろうとしなくていいんじゃないの」

という事に気付くのが、このレコーディングダイエットのポイント。
詳細な記録があると、普段の自分の無意識の行動がハッキリ見えてくる。
いきなり激しい運動を始めるとか、
強靭な意志力で食事を我慢するとかみたいに努力するのではなくその逆。
今まで頑張ってきた努力をちょっと止めてみる。

自分は肥満とは無縁の人生だったのでデブの人間の気持ちが一切解らず、
「デブってのは自己管理能力がゼロで、だらしねー生活送ってるからデブなんだよ」
という、ある種自分を高みにおいて見下した感じで今まで見てきたのだが、
ここで自分をふと振り返ってみる。

確かにだらしない肉体ではなく、むしろ鍛えてきた肉体ではあるがそれ以外の点。
だらしない人生送っているし、だらしない生活をしている。
これではいかん、と年に1・2回程度は一大決心をして何かを始めようとするが、
すぐにリバウンドしてもとの生活に戻るという事の繰り返し。
自分は根性無しで努力は続かないと思っていたのだが、そうではないかもしれん。

何年も変わらずだらしない生活を維持し続けているという事は、
それを維持する為の努力を怠っていないという事ではないか。
ちょっと振り返ってみて自分でビックリした事がある。

引き篭もり期間中は一日中ゲームをやったりニコニコ動画を見てたりした。
この「1日中」ってのは比喩表現じゃなくて文字通り。
朝起きてから寝るまで。それを毎日毎日休む事無く繰り返し。
他にやる事ないのかよと言われそうですが、無いんです。
それが引き篭もりという生き物ですから。
昔務めていたブラック企業でさえ週に1日の休日があったというのに、
引き篭もり期間中はブラック企業も裸足で逃げ出すブラックっぷりだったとは。

もしあなたが、これから毎日1日中ゲームをやれとか、
ニコニコ見てろとか言われたらできますか?
人によっては拷問に近い苦しみだと思います。しかし私はやりました。

働き始めた今でも、毎日ソシャゲにログインしてデイリー任務を欠かさない日々。
ヘトヘトになって帰ってきてもなお、疲れた体でプレイしている。
電気点けっぱなしで気付いてたら寝てたって事も一度や二度ではない。

・・・・・・・・・・・・・・・そろそろ休んでもいいですか?

ここまでして強靭な努力を維持していたのはビックリだ。
好きでやってる事ではないのか?
と聞かれそうですが、確かに初期の頃は好きでやってました。
しかし今では、どちらかという惰性のやプレッシャーの要素が強いですね。
かなり夢中になってのめり込んだので上位のプレイヤーとしてランキングにのっている。
ここで止めてしまうと一気にランク外に落ちてしまい、
ここまで頑張ってきた事が無意味になってしまう!
という失う事のプレッシャーと上級者のプライドだけでプレイしている状態です。
しかもやめてしまうとゲームで出来た人間関係とも疎遠になり、もう会わなくなるだろう。

得る事の喜びよりも、失う事の恐怖の方が行動に繋がりやすいのが人間心理。
その罠にドップリはまっていました。ソシャゲの運営はよ~く解っていやがる。
冷静に考えてみたら、別に失っても構わねーじゃんか。
自然は真空を嫌う。
無くなったら無くなったで、そのスペースにまた新しい物が入ってくるだろう。
むしろしがみ付いているから、新しい物が入ってくるスペースがいつまでもできない。

これから1ヶ月間。何か強靭な意志力で新しい努力を始める、
って事はあまり重要視してないです。
それよりも大事なのは努力を止める事。
今までの生活を維持し続けていた努力を「ちょっと」止めてみる事にしました。
試しに、毎朝目覚めたら真っ先にソシャゲにログインし続ける努力を止めてみました。
その結果はどうなったかというとご覧の通り。

朝っぱらからこんなブログを書いています。

それでは、次回の記事までごきげんよう。

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