前回の記事であれ程エーリッヒ・フロムを推した身の上なので、
今まで手を出さなかったフロムの『破壊』をジュンク堂で買ってきた。
書いてる内に、まだ持って無いフロムの著書がドンドン欲しくなってきてしまったから。
じゃあ早速その本の内容を元にブログを書くのかというと、いやいやそりゃ無理。
このフロムの『破壊』って800ページ近いブ厚さがあるんですよ。
昨日の今日で書けるはずも無し。
俺は「一日一冊読んでます!」と豪語する速読家じゃないんだ。
本のブ厚さに反比例して財布は薄くなる結構なお値段。
古本屋に流通するのを気長に待っていたが、いつまでも流れてこない。
まず現在流通している復刻版は800ページの本だが、元々は上下分冊の本だった。
俺が欲しかったのは、一冊にまとまっている現在の復刻版の方。
これが中々流通しないなぁと思っていたが、その理由がやっと解った。
家でパラパラと本をめくって、最後の発行年月日のページを見た。
2001年 6月8日 第1刷発行
2013年 5月29日 第2刷発行
そりゃぁ、古本屋には行かねぇわ! 元々の絶対数が少なすぎる!
最初に販売してから次に印刷するまで10年以上。
さぞかし誰も買わず、ずっと本屋でホコリをかぶり続けてきたのだろう。
わざわざ欲しくて買う人は、そりゃぁ古本屋には売らないさ。俺も売らないし。
『自由からの逃走』は昭和26年から売られ続け、
すでに第100刷を越えているというのに。
発行部数の少なさから言って、この『破壊』を持っている人は、
全国に千人程度しかいないのではないか。
1億3千万人中の選ばれし1000人。ワオ。
まだ全然読み進めてないから、この1000人の中では理解度が最下位だが、
残り1億2999万9000人の中ではぶっちぎりの一位。
俺が目指すのはトップ1000人の上位互換ではなく、この残り1億人の進化系だ。
多くの日本人がやらない事をやった時点で、日本人の上位数パーセントに立てる。
どうでしょう。こう考えると少しワクワクしてきませんか。
なので、また繰り返しになりますが迷ったらキツイ方を選びましょう。
キツイ方は、この1億3000万人の殆どが選ばない道です。
やるだけで大衆からは一歩抜きん出る事ができます。楽勝ですね。
謙遜しているのか「私なんか全然駄目ですよ」と言っている人の共通点は、
何故かその業界のトップと比較する事だ。
野球少年がイチローと比較したら、そりゃぁ、ゴミ以下の価値になって謙遜もするわ。
俺も文章力がトップクラスの人間と比較したら、恥ずかしくてブログなんかとても書けやしない。
専門の哲学研究者と比較したら、とてもブログに読んだ哲学者の解釈なんて書けやしない。
しかしこうやって厚顔無恥にしぶとく書き続けている。
NHKのクローズアップ現代で、大学生の読書時間を取り上げた事があった。
現代の大学生の平均読書時間は、何とたったの10分らしい。
しかし平均を取ることにどれくらい意味があるのか怪しい。
何故なら殆どの母数は読書時間ゼロであろうから。
読んでいる人だけを対象にアンケートをとったらまた違う結果になるだろう。
テレビの情報をそのまま鵜呑みにしてはいけないと常々言われているが、
上のアンケート結果は結構正確な数字だと思っている。
俺が本棚を買った時に実感した事があるのだ。
本棚を買おうと思ってニトリに行った時の事だ。
あの馬鹿でかい店舗なのだから、さぞかしより取り見取りな本棚があるかと思いきや、
本棚は、僅かなスペースにポツンと置いてあるだけ。
しかもなんかオシャレなインテリアを飾ったりするのがメインの棚みたいだ。
宣伝文句が「文庫本も収納できる!」であり、本棚じゃないんかい! と突っ込んだ記憶がある。
ここは本棚の売り場ではないのかと思い、一応店員さんに尋ねてみた。
「すいませーん。本棚売っているコーナーはどこですか?」
「こちらに置いてあるのが本棚でございます」
――――どうやらここで間違いないみたいだ。
この馬鹿でかいフロアで、本棚を置いてあるのはこれっぽっち。
近所のジャスコの方が、まだ種類豊富だったぞ。
俺が欲しい本棚が全然売ってないので、結局近所のホームセンターで本棚を買った。
わざわざニトリまで遠出したのに! もうニトリに本棚を買いに行く事は二度と無いだろう。
俺が欲しい本棚は近所に既にあったという、幸せの青い鳥の教訓を再確認。
家具専門店でありながら、申し訳なさ程度にポツンを置くほど本棚は売れていない。
つまり現代人の殆どは、本棚を必要とする程本を買っていないという事だ。
まあ昔の俺みたいに、床に山積みにしてたりクローゼットに入れてたりするのかもしれないが。
そんな訳だから、大学生の平均読書時間が10分というのは現実的な数字だと思っている。
時間がありあまっている大学生の読書時間がこれなのだから、
社会人の読書時間はしかるをいわんやである。
3万部売れればベストセラー、と言われる出版不況の時代なので、
自分の手元にあるベストセラーではない本を読んでいる人は、
日本に数千人しかいないと思ってよさそうだ。
その数千人のトップ目指して頑張るのではなく、
残りの1億人以上に役立つ知恵を教える為に学ぶと考えたら、
どうでしょう、読書をする時のパラダイムがシフトしてきませんか?
ガンガン学んで、ガンガンアウトプットして、
自分も周囲の一億人も豊かにしていきましょう。
それでは、次回の記事までごきげんよう。