やる気が出ない時に真っ先にやるべき一つの事

何故か解らないけどやる気が出ないという悩みは、多くの人が経験する悩みであろう。
多くの人が悩むという事は、多くの人が解決策を考えてきた訳だから、
解決策はそれこそ無数にある。

しかしだ。

「やる気を引き出す20のノウハウ!」みたいな物を提示されたとしても、
それを試してみる気力すら湧かない人間が、やる気の無い人間なのだ。
これは病人に向かって「病気なんてのは、栄養のある物をガンガン食べれば治る!」という様な物。
栄養のある物を食べれるなら病気になっていないし、病気になったら食欲なんてありやしない。

予防法と治療法は違う。

ガチの無気力状態に陥った場合は予防法ではなく、
立ち上がって病院にいく事すら出来ない人間でも出来る治療法が必要だ。
ガチな無気力状態になったら快復する為にやるべき事はたった一つ。
というか、この一つ以外に出来る事なんてありやしない。
それは何かというと、たった一言に集約される。

やりたくない事は絶対にやらない

以上です。
ガチの無気力状態でやる気が微塵も無かったとしても、
これなら出来るし、多分これしか出来ない。
「○○をやれ」だったら、いろいろやらねばならない訳だからハードルが高いが、
そうではなく「○○をやるな」なのだから、
最悪ベッドの上に寝っころがって天井のシミ見てるだけで達成できる。
これ以上低いハードルがあるだろうか?
少なくとも、このブログをここまで読めるだけの気力がある人間なら出来るレベルだろう。

それが出来るなら苦労はしてないよ、という声も聞こえてきそうではある。
「やりたくないけど、やらなきゃいけない仕事だからなんとかしてやる気を出さなきゃいけない」
「勉強なんてしたくないけど、試験に受かるためになんとかして勉強しなきゃいけない」

しかしそれは、極寒の地に全裸でいながら、何故自分は寒いのか気付いていないような物。
そのままだと確実に死にますよ。まずは服を着る事から始めましょう。
やりたくない事をやり続けていたら、やる気が無くなるのは当然の話なのです。
その事に自分自身で気付いていないのだとしたら、色々と赤信号。
まず真っ先にやるべきなのは、「やりたくない事はやらない」と決める事。
この話だけを聞いて「なる程、良く解った」となる人はいないだろうから、
これから色々と解説していきます。

・やる気とは何か?

そもそもやる気とは何かを考えていきましょう。
やる気がある人間とはどういう人間なのかというと、
自分の意志で「何かをやる」と決断し、実際に行動に移し、それを継続できる人間の事だ。
それぞれのキーワード毎に、更に事細かく説明していきましょう。

先ずは「自分の意志で」という所がポイントです。
他人に命令されてやっている人間を、やる気があるとはあまり言わないですよね。
それをやる気があると呼んでいいのであれば、この世には機械程やる気に満ち溢れた存在はいない。
24時間1年365日、一切休む事なく自分の仕事をやり続ける工場のロボットを、
「いやぁ、このロボットはマジでやる気に満ち溢れているなぁ」と評価したりはしない。
やる気というのは、あくまでも自らの意志で主体的に取り組んでいる時に生じる物です。

次のキーワードは、何をやるのか「決断する」という所です。
何も考えず、無意識にやる事に対してやる気は必要ない。
やる気満々で飯を食べるとか、やる気満々で歯を磨くとか、やる気満々でトイレに行くとか、
色々と意味不明ですね。
それらの行動は「気付いたらやっていた」とか、「いちいち考えずに全部終わってた」という様に、
無意識でやっている事なわけだから、やる気がある訳ではない。
「これをやろう」と決断して、決断した事を実行に移せるのがやる気がある状態です。

次のキーワードは、「行動する」という事。
自分の意志でやると決めたけど、実際には何もしなかった人間をやる気があるとは言わない。
「宿題ちゃんとやろうと思ったんですけどやりませんでした」とか、
「今日までにこの仕事を片付ける予定でしたが、一切手をつけませんでした」とか言われたら、
誰だって「お前やる気あんの?」と返したくなってしまう所だろう。
行動の伴わないやる気はありえない。

最後のキーワードは「継続する」という事です。
いざやり始めたら、それを継続しなくてはやる気があるとは言わない。
よしやるぞ! と決めて勉強を始めたのに2分後にはゲームをやり始める人間を、
やる気があるとは言わない訳です。
行動するだけでなく、行動し続ける力が無くてはやる気とはみなされない。

以上の4つの力が揃った状態をやる気があるという訳です。
「意志力」「決断力」「行動力」「継続力」
そしてこれら4つを総称して、「意志力」と呼びます。
意志力は、今までの記事でも散々取り上げてきた言葉ですが、
あまりにも久しぶりの記事更新なので、復習&この記事が初めての人の為に、
今一度初心に帰って事細かに説明しなおしてみました。

筋肉には上腕二頭筋だの腹筋だの背筋だの色々あるが、
それらの筋肉の力は一切合切まとめて「筋力」と呼ばれる。
それと同じように、決断力だの行動力だの継続力などと言った、
意志の力で発揮される力をまとめて「意志力」と呼びます。

意志力=決断力=行動力=継続力であり、
さらに言うのであれば、やる気=意志力でもある。
やる気が無い状態というのは、意志力が無い状態であり、
やる気を快復させるには意志力を増やせばいい。

「意志力」で書籍を検索すれば結構な量の本がヒットする事だろう。
ニーチェやハイデガーの「力への意志」という微妙に場違いなキーワードもヒットするが、
どれもこれも意志力を回復させたり鍛えたり使わないで事を成し遂げたりする方法が、
色々と解説されている。

色々と解説されているのだが、実はやる事はたったの3種類に分類されるのだ。
複雑な説明とシンプルな説明の両方が出来るのであれば、
シンプルな説明を採用するべし。
意志力に関しては、たった一行の方程式で全てを示せる。

・意志力を考えるシンプルなモデル

意志力についてあれこれ考える上で、
とても参考になるモデルが金持ちになる為に必要なたった3つの方法だ。
世に「お金持ち本」は多々あれど、お金持ちになる方法は人類の歴史に貨幣が登場して以来、
たった3つしかなく、それは一行の式で表すことが出来る。

資産形成=(収入-支出)+(資産×運用利回り)

以上です。
この小学生でも理解できそうな方程式に、
お金持ちになる方法が凝縮されています。
以上の方程式から、金持ちになる方法はたった3つしかない事が解ります。

①、収入を増やす
②、支出を減らす
③、運用利回りを上げる

この3つ以外の方法は存在しません。
実際、世に溢れる金持ち本の「全ては」この3つのどれかに言及した物です。

①、「年収1,000万の仕事術」のように、収入を増やすノウハウ。
②、「超節約生活」「節税完全マニュアル」のように、支出を減らすノウハウ。
③、「株で不労所得」「マンション大家で食っていく」の様な、資産運用指南本。

もし今現在の自分が、金無しコネ無しキャリア無しの極貧生活だったとしても、
この3つを全部行えば日本のような豊かな社会なら「誰でも」金持ちになれる。
誰でも金持ちになれるとは言っても、その前提条件が厳しすぎて殆どの人はやらないですけどね。

まず固定給ではなく、やればやる程稼げるフルコミッション制の仕事を選んで、
週に6日か7日か働いて収入を増やす。1日16時間働く残業も辞さない。
勿論贅沢は一切せず、格安のアパートやルームシェアで生活し、娯楽や飲み会等は言語道断。
「こんなボロアパートで恥ずかしい」とか、
「こんな中古車にいつまでも乗ってて恥ずかしい」みたいに、
見栄の為に余計な出費をしたりも絶対にしない。見栄は高くつくのだ。
そんな生活を数年続ければ「絶対に」まとまった資本金が出来るので後はそれを運用するだけです。

ベンチャー企業や、一代で大企業を創り上げる創業者にはこの手のタイプが結構います。
話題に事欠かない有名な「ワタミ」の創業者もこのタイプです。
ワタミの渡邉美樹社長は佐川急便のドライバー勤務をして、
たった1年で会社の資本金300万を稼いだ実績の持ち主だ。

金持ちになる方法は、筆者自身が札束のプールで泳げる位の身分になってから偉そうに語るとして、
今回書いておきたいのは、意志力についてです。
先に書いた金持ちになる方程式を、
そのまま意志力に当てはめてもかなり上手い具合に説明できるのだ。
もう一度さっきの式を書いてみましょう。

資産形成=(収入-支出)+(資産×運用利回り)

これを意志力に当てはめた場合、意志力についてやるべき事もたった3つしかない。
つまり、

①、意志力を増やす
②、意志力の消耗を減らす
③、運用利回りを増やす

①と②はともかく、
③の運用利回りを増やすってどういう意味だよと突っ込まれるかもしれませんが、
これに関してはすみませんとしか言い様が無いです。
すいません、いい言葉が浮かびませんでした。
ですが意味は順々に説明していくので、それでなんとか言わんとしている事は伝わるかと。
意志力について言及している本は多々あれど、
お金持ち本と同じく、やるべき事はこの3つに凝縮されている訳です。

・意志力(やる気)を増やす3つの方法

まずは一つ目の、意志力の総量その物を増やす方法。
意志力は使えば無くなる限りある資源であるが、休めば回復する。
食事や睡眠、瞑想、大自然の中を歩いたりなどして、心身を休ませて回復させる。
後、運動をすれば意志力の最大値が増えるし、
周囲の人間関係で増やす事もできる。
一緒にいるだけ元気が湧いてきたりやる気が出てくる人間は、貴重な財産だ。
好きな人の顔を見るだけでテンションマックスの恋する乙女はいつだって元気だし、
元気でなければ恋する乙女にはなれない。

やる気だの元気だのが無いときは、しっかり食べてグッスリ眠れば回復します。
そんな単純な事でいいのかよ! という話ですが、
そんな単純な事すらロクに出来ていない状態が続きやすいのが現代です。
現代人は皆忙しい。
コンビニ弁当やカップ麺を大急ぎで腹に入れて仕事に向かい、
夜遅くまで仕事して朝早くにムチで打たれたかのように飛び起きる。
ちなみに、胃に負担がかかる食べ物は消化に大量のエネルギーを必要とするので、
エネルギーが増えるどころかむしろ減ります。食べれば食べる程意志力が無くなっていく。

個人的な話をすると、筆者は睡眠時間が足りない日が続くと、
うつ状態になって死にたくなってくる。
そんな状態になった時はもう何も出来ないし、
生まれてきた事を後悔し続けるような絶対に関わりたくないダメ人間に豹変する。
しかししっかり睡眠をとれば普通の状態に戻ります。

これは、筆者のかつての成功体験から度々起きる現象ですね。
受験生の時は完全夜型で、夜中に長時間勉強を続ける生活をしていました。
静かで邪魔の入らない夜だと、もう何時間でも高い集中力を維持して勉強を続ける事ができた。
なので、「本気で勉強する時は夜中にやる」「本気で何かを成し遂げたかったら夜にやる」
という成功法則が筆者の中で確立されていたのだが、
最近それをやると、次の日には物凄い死にたい気持ちになって、何も出来なくなる。
「今日は何も成し遂げられなかった。遅れを取り戻さないとヤバイ!」と思い、
挽回する為にまた真夜中に低いパフォーマンスでやるという負のサイクルにはまる事態になる。
この負のサイクルから抜け出すには、あらゆる物を投げ出してグッスリ眠らなくてはいけない。
もうこの成功法則で成功できる程若くないんだな、という事に最近ようやく気付きました。

二つ目の方法は、意志力の支出を抑える事です。
例え年収2億の人間でも、年間2億1000万の散財をしていたら、
その人は借金まみれの蓄財劣等生と同義なのです。
どんなに意志力があったとしても、貴重な意志力を垂れ流しにしている状態だったら、
「よし、これをやろう!」と思っても行動に移せないし、行動しても続けられない。
やる気を出すためには、意志力を節約して大事に分配するノウハウが必要だ。

嫌な事、やりたくない事をやるには莫大な意志力を必要とする。
もう他の事には手を付けられなくなる程。なのでやりたくない事をやってはいけない。
他には、習慣化して自動的に出来るようにしたり、ルールを設定して問答無用でやるようにしたり、
周囲の環境を整えて目や耳に入ってくる情報を極力少なくしたりするのも、
支出を抑える為のノウハウです。

三つ目は、運用利回りを上げる方法です。
これは何かというと、余った意志力を投資するという事ですね。
何かをやるには意志力を消耗する事になるが、
中には意志力を消耗するどころか、やればやる程意志力が増えていく物がある。
大人になると失われていく事が多いですが、誰しも子供時代は夢中になって取り組んだ事があると思います。
もう親に怒られてもゲームに熱中したり、寝食を忘れて遊びに没頭したり。
キーワードは「寝食を忘れる」という所ですね。
寝る時間も勿体無い、食べる時間も惜しい。
疲れて休みたくなるどころか、やればやる程もっともっとやりたくなる事。
意志力に体力がついてこれず、ぶっ倒れる様に眠ってしまうまで続けてしまうような事。

天職とか、ミッションとか、コーリングとか呼ばれる仕事をやっている人達は、
こういう事に取り組んでいる人達です。
「少しは休んだら」の言葉が理解できない。
ゲームが大好きな子供にゲームをやるなと言ってもやり続けるんです。
病室で死ぬ目際までマンガの事を考え続けていた手塚治虫とか、
原稿を描いている最中に机の上で死んだ藤子・F・不二雄とか。

寝食を忘れて情熱を注げる対象があるのであれば、そこが意志力の投資先です。
やればやる程意志力が増えてしまうのだから、もうやる気が無くなる事はありませんね。

ならばどうやったらそんな対象を見つけられるんだという話ですが、
現時点でそういう対象が全く無い人がゼロから発見するには、莫大な意志力が必要です。
今までやった事のない新しい事にチャレンジしたり、
ひたすら自分に問いかけて自分を掘り下げていく作業をして発見していくのですが、
それらの作業にはかなりの意志力を消耗する事になる。
少ない資本金で出来る事は限られているのだ。
先にやっておく事は、資本金を稼ぐこと。
つまり、収入を増やして支出を減らし、意志力を余らせることです。

意志力が余ってくると「ちょっとやってみようかな」という感じで、
新しい事や今まで億劫だったことにも取り組みやすくなってくる。
その気持ちが湧かないという事は、「贅沢は敵だ」といわんばかりに、
生活ギリギリの意志力でやりくりしているって事です。
何はともあれ、意志力を余らせて余裕のある生活を送れる様になりましょう。

意志力を増やす、意志力の消費を抑える、意志力を投資する。
世に意志力の文献は多々あれど、そのノウハウはこの3つに凝縮されています。

・やりたくない事は絶対にやらない

意志力を増やしてやる気を増やす方法はいっぱいある訳ですが、
何からやったらいいのかというと、それはご自由に。
世に出回っている書籍を読んだり、このブログを読み直して、
今の自分に必要な事を自由に取り入れていけばいい。

しかし。

自分で調べたり勉強したりするのは、意志力がある人間にしか出来ない。
それすらやる意志力が無い程ガチの無気力になっているとしたら、
冒頭に書いた様に、やれる事は一つしかない。
やりたくない事は絶対にやらない事。
やりたくない事というのは、実際にやるどころか、
もう考えただけ気分が落ち込んで意志力を消耗してしまう。
そんな生活を続けていたら、意志力を余らせて資本を作るなんて夢のまた夢。

やりたくない仕事をやり続ける。
顔見ただけで嫌な気分になる嫌いな人間と会う。
参加したくもない飲み会に参加する。

嫌だという自覚があるのであれば、これらにNOと言える日本人にならなくてはいけない。
自覚できる嫌な事ならなんとか対処法を考えられるからまだいいが、
それより厄介なのは無自覚にやっているやりたくない事だ。

流行の話題についていけず、取り残されるのが怖くて一分一秒を惜しんでチェックするSNSやまとめサイト。
数分おきにチェックせずにはいられないメールやライン。
期間限定のチャンスを逃さない為に、張り付いているソシャゲ。

「自分の意志」ではなく、周囲の目や周囲の圧力に流されてやっている事なら、
それは自分が本当にやりたい事では無いと考えていいです。
目安としては、やった後に妙に疲れ果てていたり、後悔や罪悪感にさいなまれたりする事ですね。

人はどういう基準にしたがって行動するのかを研究する学問に、行動経済学がある。
その行動経済学の有名な理論に「プロスペクト理論」というのがある。
どういう理論なのかというと、人は得る事の快感より、失う恐怖の方を大きく感じるという理論だ。
これをすれば彼女はもっとあなたの事が好きになります、と言うよりも、
これをやらないとあなたは彼女と別れる事になりますよ、言われた時の方が行動に移りやすい。

数ヶ月運営を続けるだけでも至難の業なソシャゲの世界において、
長く続いているコンテンツは、このプロスペクト理論を見事に活用して大成功を収めている。

今しか手に入らないレアキャラやレアアイテム。期間限定のイベント。
「このチャンスを逃したら、もう二度と手に入りませんよ!」という失う恐怖を煽って、
ユーザーをログインさせる事に成功している。
しかも途中でやめたら、今まで積み重ねた物が無駄になる場合、益々抜け出せなくなってしまう。
もしゲームをやめてしまったら、ゲームを通して出会ってきた友達とも疎遠になって別れる事になるだろう。
勿論最初は、そのゲームが面白くやっていたのだろうが、
飽きてきてからは色々な物を失うのが怖くて「やらされている」状態になっている。
自分の意志でやっていないのであれば、それはやりたくない事に分類してやってはいけない。
本当にやりたくなった時にだけプレイするようにしたほうがいい。

やる気とは、あくまでも「自分の意志で」やると決めた時に生じる物。
周囲の目や意見に流されているうちは、どう足掻いたってやる気なんて湧いてくるはずも無し。
まずは、やりたくない事は絶対にやらないと決める事が、ガチの無気力に陥った人がやるべき事。
他のノウハウを調べたり勉強したりするのは、その後でいい、というかその後でないと出来ない。

今回の記事はここまでです。
それでは、次回の記事までごきげんよう。

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