あなたの求めるどんな認識内容も、あなたの知的財産を蓄積する為のものなら、
それはあなたを進むべき道からそらせる。しかしあなたの求める認識内容が人格を高貴にし世界を進化させる為のものであるなら、それは成熟の途上であなたを一歩前進させる。
ブログを開設してガンガン書いていくとなったら、
自戒の意味も込めて最初に心得ておくべきは、
冒頭の言葉だろうという事は決めていた。
何故アウトプットをしなくてはいけないか、という事は巷で言われまくっている。
人間はアウトプットした事しか覚えられないからだとか、
世に自分の存在を示すためだとか、
どんな情報でもひょっとしたら誰かの役に立つかもしれないからだとか。
しかしこのブログはそういう目的で開設した物ではない。
それらは副産物として「あわよくば」的な目標だ。
大事なのは情報や知識を、自分の中「だけ」に閉じ込めないという事。
今まで本はかなり多く読んできた。
孔子曰く「我、十有五にして学を志す」
筆者はそれより1年早く14歳の時に、マンガ以外の活字の本を読み始めた。
当時ハマっていた「ジョジョの奇妙な冒険」の第2部にて、やたら孫子の引用があり、
それを読めば自分もあんな風になれるのか、という興味と憧れからだ。
その孫子があまりにも面白かったので、読書の世界にどっぷりハマる事となる。
クラスメート達が、カラオケだのお菓子だのジュースだのに小遣いを使っている中、
自分は小遣い=本代の生活を送り続ける事になる。
高校生の時は母親に弁当を作って貰っていたのだが、
「寝坊しちゃって弁当作れなかったわゴメン。これで何か食べて」
と、500円を貰った時はむしろ大喜びだ。
それだけあれば文庫本一冊が買える。
飯抜きで帰りに本屋に直行である。
ベーコン曰く「知は力なり」
今までそれだけ本読んで勉強してきたのだから、さぞかし凄い力がついて
色々な事を成し遂げてきたのだろうなと思うかもしれないが、
全然そんな事はなかったぜ。
むしろ、マンガ以外の本は読まず、
遊びほうけていたクラスメート達の方が幸せで楽しそうな人生を送っている。
遊ぶ中で、初対面の人達とも仲良くなったり、
場を盛り上げるといった処世の術を身につけている。
今の俺には無い能力だ。
知は力なりじゃなかったのかよーーーーー!
と、ベーコンの墓に真空飛び膝蹴りを食らわしたい衝動に駆られる中、
冒頭のシュタイナーの言葉に出会い、ようやく原因が解った。
「あなたの求めるどんな認識内容も、あなたの知的財産を蓄積する為のものなら、
それはあなたを進むべき道からそらせる」
そうなのだ。
俺が勉強して知識を身に付けようとした理由は、
あくまでも自分の為に、自分の知的財産を貯め込む為だったのだ。
名探偵よろしく「犯人はお前だ!」と言うと犯人はガックリ膝を落とし、
周囲の人間は皆、なんて素晴らしい推理力だ! と絶賛する。
何故絶賛されるのかというと、誰一人として犯人が解らないから。
登場人物も読者も全員犯人が解っているなら、
名探偵の価値は大暴落して底値安定だ。
知識もそれと同じ様に考えていた。
皆が頭を抱えて悩んでいる時に、名探偵の様に現れて
「なんだ、こんな簡単な事も解らないのか」
と鮮やかに解決してキャーステキ、と。
そのように考えていたのだから、自分の知識や情報は
「いつか来るであろうその時」まで絶対に人には教えない。
あなたは、素晴らしい本を見つけたら誰彼構わず紹介するタイプですか?
俺は全く逆で、本当に素晴らしいと思ったら絶対に人には教えず、
自分の中だけに隠しておく人間でした。
対戦ゲームでもそうだが、強力なキャラクターや武器は、
自分や一部の人間しか使えないから強力なのだ。
みんなが木刀で戦っている中に、一人だけ戦車で乗り込んだら勝てるに決まっている。
誰も彼もが戦車に乗れるのであれば、戦車の価値は木刀と変わらない。
冒頭で掲げたシュタイナーの言葉の真偽についてだが、
前半部分については真実であると断言できます。
幸か不幸か、自分の人生の半分を費やして既に実証済みです。
そして今知りたいのは後半部分についてだ。
「しかしあなたの求める認識内容が人格を高貴にし世界を進化させる為のものであるなら、それは成熟の途上であなたを一歩前進させる」
人格を高貴にする為の読書とか、
世界を進化させる為の読書とか言われても、
大きすぎて良く解らないが、挑戦する意味と価値は大いにあるだろう。
それでようやく「一歩前進させる」事ができるのだから。
たったの一歩と思われるかもしれないが、
今まで一歩も前に進まない人生だったのだから、
これは100パーセント値上がりする株である。
借金してでも買っておけ。
具体的に何をしたらいいのかはまだ見えてこないが、
大事なのは、「自分の中だけに貯め込まない」事。
世界を進化させるとか、他人の役に立つ情報なのかとかは解らないですが、
とにかく自分の中に溜め込んでいた物をアウトプットしていく予定です。
それでは、次回の記事までごきげんよう。